2014年の航空祭。あの時、そっと抱き上げた女の子。その笑顔と輝く瞳は今も忘れられません。
まさか、その小さな出会いが11年後に再びつながるとは思いもしませんでした。
あの日の記憶
当時の航空祭で、何度も会いに来てくれた女の子がいました。毎年のように来てくれて、ブルーインパルスの青いフライトスーツを身にまとい、眩しい笑顔で私のところへ駆け寄ってきてくれました。
「ブルーインパルス大好き!」と目を輝かせて語るその姿は、まるで空そのものを映したような純粋さに満ちていました。その度に、「この子のように空に憧れる子どもたちのために、いつか自分にできることがあればいいな」と心の中で思っていました。
サインを求められ、写真を撮り、ほんの短い交流の積み重ね。それでも、彼女の笑顔には未来への希望があふれていて、見るたびにこちらまで元気をもらっていました。


11年の時を経て
そして先日、浜松航空祭の前日に開催された、(株)High Rate(同期のハチ)が主催したスペシャルトークイベント。そのイベント後の写真撮影のとき、お父さんと娘さんが近づいてこられ、「覚えてますか?」と声をかけてくださいました。
お父さんの顔はすぐに思い出しましたが、隣にいた娘さんが誰なのか一瞬分かりませんでした。すっかり大人びた姿に、あの小さな女の子の面影を探すのに少し時間がかかりました。
お父さんがスマートフォンを取り出し、当時の写真を見せてくださった瞬間、記憶が一気によみがえりました。小さな青いフライトスーツに包まれた笑顔。そのすべてが鮮やかに蘇り、胸がいっぱいになりました。
「この女の子が、もうこんなに立派になったんですか…!」
その時、お父さんが静かに言いました。
「実は、娘は自衛官になりまして。」
その言葉を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立ちました。
あの時、空を見上げて夢を語っていた女の子が、今、自分の力で空の世界に立っている。11年前の何気ない瞬間が、彼女の心のどこかに残っていたのだとしたら、これほど嬉しいことはありません。

彼女がどんな努力を重ね、その道を歩んできたのかを思うと、胸が熱くなりました。
夢をつなぐ存在として
ブルーインパルスという存在が、どれほど多くの人の心に「夢と希望」を灯しているのか。この出来事を通して改めて実感しました。
空を見上げる子どもたち、手を振る家族、憧れを抱く若者。その一人ひとりの心の中に、小さな火を灯すのがブルーインパルスの一つの使命なのだと改めて思いました。
あの日、観客として航空祭に来てくれたあの女の子が、今は自らの意思で制服に袖を通し、国を守る道を選んでいる。その姿は、まさに「夢が現実になった証」でした。
これからも、誰かの心に小さな光を灯せる存在でありたい。そう強く思った再会でした。

会いに来てくれてありがとう!
これからもずっと応援してるよ!!


