こんにちは、Chakraです!
前回の第1話では、やんちゃな少年時代から、ブルーインパルスとの運命的な出会いを経て、「パイロットになりたい」という想いが芽生えた瞬間をお届けしました。
とはいえ、そこからすぐに夢に向かって一直線!…というわけではありません。
「学力は低ランク。このままじゃダメだ。人生、一度くらい本気になってみよう」
そう決めた私は、生まれて初めて自分の意志で机に向かい、航空学生の試験勉強に挑み始めます。
周囲には到底追いつけない学力、焦り、不安。
それでも見たい景色があるから、踏み出した一歩。
今回は「やる」と決めたはずの私が、どれほど迷い、そしてなぜ踏みとどまることができたのか。その葛藤と小さな成長の物語をお届けします。
【反抗期ど真ん中】止まらなかった思春期の反発心
思い返せば、高校時代の私は、まさに反抗期のど真ん中にいました。
何をするにも親に反発し「自分は自分だ」と勝手に突っ走っていた時期です。校則違反も日常茶飯事で、細かいルールにはとにかく抵抗していました。親が校長室に呼び出されることもしばしばで、先生たちからは「またか」と呆れられていたと思います。
進学校の生徒としては問題児で、かなり扱いにくい存在だったのは間違いありません。家庭内でも衝突が絶えず、母と言い合いになった日はほぼ毎日。
そんな私でも、心のどこかでは「このままではいけない」と思っていたような気がします。
【音楽と青春】バンドブームに染まった日々
ちょうどその頃、日本は空前のバンドブーム。テレビでは「うたばん」や「HEY!HEY!HEY!」が毎週の楽しみで、学校では休み時間に友達と好きなアーティストの話題で盛り上がるのが日常でした。Mr.ChildrenやGLAYが大ブームで、ゆずがデビューした頃です。私はその波にどっぷりと浸かり、バンド活動にのめり込んでいきました。
高校の仲間と一緒に、近所の楽器屋にあるレンタルスタジオで放課後や週末に練習を繰り返し、文化祭では毎年バンド出演。私は3つのバンドを掛け持ちし、それぞれで「ギター」「ボーカル」「ドラム」を担当して没頭していました。バンド活動は、私にとって日常を忘れられる特別な空間でした。
なかでも「ミッシェル・ガン・エレファント」のコピーバンドではギターを担当し、ロックなサウンドに完全に魅了されていました。一般的には受けれ入れなれないコアなロックです笑(ちなみに、映画『SLAM DUNK』のオープニングを飾った「THE BIRTHDAY」は、元ミッシェルのボーカル・チバユウスケさんのバンド。彼の訃報を聞いたときは驚きとともに、青春の1ページが閉じられた寂しさを感じました。)
バンド活動に夢中だった高校生活。今になって思えば、音楽があったからこそ私は道を踏み外さずに済んだのかもしれません。仲間と作る音楽、共に過ごす時間は、私にとっての逃げ場であり、支えでした。
【友情に救われた日々】勉強を助けてくれた友人との絆
そんなバンド三昧の日々を送っていた私ですが、中学2年の頃に見た雲海の感動、そしてブルーインパルスを見た衝撃は、心の奥でくすぶっていました。「なんとなく憧れ」というレベルから「本気で追いかけたい夢」へと変わっていたのです。
その時の話は前回記事で紹介しています↓↓
でも学力は「ほぼ無力」の状態…
航空学生試験は、理数系の科目が避けて通れない関門です。私は文系を選択していたので、数学や物理の基礎すらおぼつかない状態。まわりからも「無理だろ」と笑われるくらい、スタート地点が低かったのです。
そこで、高校3年の夏休みに入ると、理系クラスの友人に頭を下げ、教科書の最初のページから一緒に勉強を始めました。
「おくやんが勉強してる!」と冗談混じりに笑われながらも、彼らは何度も同じ質問に答えてくれて、本気で教えてくれました。そんな仲間たちの支えがなければ、あの猛勉強を乗り越えることはできなかったと思います。
どんなに頑張っても内容がまったく頭に入らず、自己嫌悪に陥る日もありました。それでも支えてくれたのは「いつか空を飛んでみたい」という気持ちと「おくやん、人が変わったみたいに頑張ってるね」と言ってくれた友人の一言でした。
そんな日々を重ねる中で、私の中に少しずつ“変化”が生まれていきました。「どうせ無理」から「もしかしたら」に変わり、「やってみるか」から「絶対合格する」にまで気持ちが進化していったのです。
【恩師と家族の支え】航空学生試験までの道のり
そして、もう一人忘れられない存在がいます。高校三年のときの担任の先生です。
進学校では大学進学が当たり前の道でしたが、私が「航空学生を受験したい」と言ったとき、先生は真剣に向き合ってくれました。
「お前が本気なら、俺も本気で応援するよ」と言って、親身になって進路相談に乗ってくれました。授業後に呼び出され、時には厳しく、時には温かく、何度も話を聞いてくれたその姿勢に、私は大きな力をもらいました。
最後に、両親の存在も欠かせません。問題児だった私に何度も頭を抱えながら、それでも信じてくれた家族。校長室に呼び出されるたびに恥をかかせてしまった母に、今となって申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱいです。
こうして振り返ると、自分ひとりの力ではとても乗り越えられなかったなと、しみじみ思います。仲間、恩師、家族──多くの人の支えがあったからこそ、私は「本気で夢に挑戦する」という経験ができました。
次回予告
今回は、「どうせ無理」と思い込んでいた自分が、仲間の支え、恩師の言葉、そして家族の見守りに背中を押され、初めて本気で努力する喜びと苦しさを描きました。
次回はいよいよ、試験本番。あの緊張感と、合否を待つあの瞬間の記憶を、お話ししたいと思います。
おまけ|航空学生試験対策
試験対策は一日にしてならず。痛いほど染みる言葉です。
航空学生を目指してる方は、この問題集を最低2周は勉強してみてください!
私みたいな遠回りはしてほしくない!みなさん、応援しています!!
航空学生【2019〜2023年実施問題収録】自衛官採用試験問題解答集3 (自衛官採用試験問題解答集 3) ↓↓