台風6号が日本を横断中ですが、みなさん備えは万全ですか。
飛行機に関わる仕事をしていると、台風は常に気になる存在です。
「飛行機って台風の中を飛ぶんですか?」
「台風が来たら欠航ですか?」
と聞かれたりします。
今日は台風について、少しカタイお話をしたいと思います🌀
そもそも台風とは?
台風には明確な定義があります。
太平洋や南シナ海で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が34ノット(17m/s)以上になったものを「台風」と呼びます。
つまり、最初から台風として生まれるわけではなく、海水温の高い海域で発生した熱帯低気圧が徐々に発達し、一定以上の勢力になることで台風へと変化します。
ポケモンでいうところの、メガ進化です🦁
台風の発達段階は以下のように分類されています。
| 国際分類 | 略号 | 最大風速 |
|---|---|---|
| 熱帯低気圧 (Tropical Depression) | TD | 34kt未満(17m/s未満) |
| 台風 (Tropical Storm) | TS | 34〜47kt(17〜24m/s) |
| 台風 (Severe Tropical Storm) | STS | 48〜63kt(25〜32m/s) |
| 台風 (Typhoon) | T | 64kt以上(33m/s以上) |
航空の世界では風速をノット(kt)で表すため、私たちにとっては「34ノット」がひとつの基準になります。
台風の強さってどう決まるの?
ニュースでよく聞く、
「強い台風」
「非常に強い台風」
「猛烈な台風」
これらにも明確な基準があります。
強さの分類
| 分類 | 最大風速(m/s) | 最大風速(kt) |
|---|---|---|
| 強い | 33〜43m/s | 64〜84kt |
| 非常に強い | 44〜53m/s | 85〜104kt |
| 猛烈な | 54m/s以上 | 105kt以上 |
105ノットというと時速約195km。
新幹線並みの風が吹いていることになります🚅
想像するだけでも恐ろしいですね!
台風の大きさも分類されている
強さとは別に、「大きさ」の基準もあります。
ややこしや…
大きさの分類
| 分類 | 強風域半径(15m/s以上) |
|---|---|
| 大型(大きい) | 500km以上〜800km未満 |
| 超大型(非常に大きい) | 800km以上 |
超大型台風になると、暴風域だけで本州を覆ってしまうこともあります。
パイロットは何を見ているのか
私たちが気にしているのは、実は台風そのものだけではありません。
- 台風の勢力
- 乱気流
- 積乱雲
- 雷
- 大雨
- ウインドシア
- 空港の天候
- 機体の横風制限
などなどです。
特に積乱雲は要注意⚡️
現代の航空機には高性能な気象レーダーが搭載されていますが、それでも危険な雲には近づきません。
飛行機は台風と戦うのではなく、避けながら飛びます。
台風の日は飛べるの?
ニュースでも報じられているように、台風の影響が大きい空港では欠航となることがあります。
- 横風が制限を超える
- 雷雲が空港周辺を覆う
- 視程が悪化する
- 安全な進入経路が確保できない
このような状況で、無理してフライトしたら事故が起きてしまいます。
航空会社は、
「飛べるか」
ではなく、
「安全に飛べるか」
を基準に、定められた規程に逸脱しないよう判断しています。
大変なのは前日かも
パイロットや運航管理者は、台風が接近する何日も前から進路予想図とにらめっこしています。
進路が少し変わるだけで、
- 明日の便をどうするか
- 飛行機をどこへ避難させるか
- 乗員のスケジューリングをどうするか
など、多くの判断が必要になります。
実際には、飛行機を飛ばす当日よりも、その前の準備や判断の方が難しいことも少なくありません。
自然には勝てない
パイロットになって20年以上。
それでも自然の力には、絶対に勝てません。
人間や飛行機なんて、ちっぽけですからね。
だからこそ私たちは、
- 無理をしない
- 危険に近づかない
- 安全サイドに判断する
という考え方を大切にしています。
旅行の予定を組んでいるお客様には本当に申し訳ないですが、それでも機長としては、安全を最優先に判断します。
台風ってほんと厄介ですね。
皆さんも台風情報には十分注意して、安全第一でお過ごしください✈️


コメント
こんばんは。
私は通勤が不便になるだけで台風が直結する仕事をしてこなかったので
ざっくり960hPa以下だと「ヤバい」と判断してました。
長く生きてきたけど関東でそんなの来たの数回ですけどね。
コービ・ブライアントみたいに無理やり飛ばして欲しいと言うお客さんが来ない事を祈ってます。まあChakraさんなら「絶対無理」と断るでしょうが😅